Q. 患者様が 「生活の質維持及び向上・金銭負担軽減」 を目的に利用できる制度、にはどのようなものがありますか?
A. 当院では主に、
① 指定難病制度(特定医療費支給制度)
② 自立支援医療制度(精神通院)
③ 身体障害者手帳
④ 主治医意見書
⑤ 医師意見書(就労支援や障害年金等)
⑥ 障害年金
⑦ おむつ証明書
⑧ 療養・就労両立支援
⑨ マッサージ同意書 (医療マッサージ)
などを必要に応じて申請しております.以下に説明を補足いたします.
① 指定難病制度(特定医療費支給制度)
国が定めた「指定難病」に該当する疾患に対し、医療費の一部を助成する制度です。所得に応じた自己負担限度額が設定され、医療費負担が軽減されます.この制度のメリットは、医療費の自己負担が原則3割→1割に軽減 (所得によりさらに負担減) されること.高額な薬剤や通院・入院費も軽減対象となること.就労支援や介護サービスの優先対象となること、などが挙げられます.これは、有効期間1年ごとの更新が必要となります.
連携先・申請先:保健所
※当院通院対象の指定難病:
パーキンソン病、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、多系統萎縮症、脊髄小脳変性症、ハンチントン病、HTLV-1関連脊髄症 (HAM)、重症筋無力症、筋萎縮性側索硬化症 (ALS)、脊髄性筋萎縮症、多発性硬化症、多発性神経炎 (ギラン・バレー症候群等)、シャルコー・マリー・トウース病、皮膚筋炎および多発筋炎など.
② 自立支援医療制度(精神通院)
精神疾患 (うつ病、てんかん、発達障害など) で通院治療を受けている方に対し、医療費 (通院・薬剤費) の自己負担を軽減する制度です.原則1割負担になります.この制度のメリットは、通院にかかる医療費 (診察・薬・検査など) が大幅に軽減できることです.これは、指定医療機関・薬局でしか使えません.また、有効期間1年ごとの更新が必要となります.
連携先・申請先:市町村役所・福祉課
③ 身体障害者手帳
身体に永続的な障害がある方に交付される手帳です.対象となる障害の部位別の種類があり、当院では肢体不自由 (上肢・下肢・体幹) に関して対応しております.障害の程度に応じて1~6級までの等級があり、1級が最も重い障害を示します.等級 (障害度) によって受けられる支援の内容が変わります.この制度で受けられる支援例として、所得税や住民税の控除、自動車税や軽自動車税の減免、鉄道・バス・航空機の運賃割引、公共施設の割引や優先利用、補装具 (義手・義足・車椅子など) の支給、就労支援や生活福祉資金の貸付などが挙げられます.
連携先・申請先:市町村市役所・障害福祉課
④ 主治医意見書
介護保険の申請 (要介護・要支援認定) に必要な、かかりつけ医が記載する書類です.この制度のメリットは、介護認定により訪問介護・通所介護などのサービス利用が可能となることです.
連携先・申請先:地域包括支援センター
⑤ 医師意見書(就労支援や障害年金等)
障害年金・就労支援・病気による休職申請等に必要な、症状や労働制限についての医師の見解を記載した文書です.この制度のメリットは、公的給付 (障害年金、傷病手当金) や就労調整の根拠となります.
連携先・申請先:企業/年金機構
⑥ 障害年金
障害年金とは、「病気やケガによって生活や仕事が困難になったとき」に、国から支給される公的年金制度のひとつです.働けなくなった場合の“生活保障”として重要な役割を果たします.受給対象者となるには、以下の3つの条件を満たす必要があります. 初診日要件 (病気やケガで初めて医療機関を受診した日が、公的年金に加入期間中であること). 保険料納付要件 (初診日の前日時点で、原則「過去1年間に未納がない」など、保険料を一定以上納めていること), 障害認定要件 (初診日から1年6か月後の時点で、日常生活や労働に支障がある程度の障害があること.障害等級1-3級).この制度の注意点として、申請手続きが煩雑で専門的であること.審査基準が厳格で通らないことあること.定期的な再認定 (1-5年毎) が必要であること.働くことで「障害の程度が軽くなった」と判断され、支給停止になる場合もありこと、等があります.
連携先・申請先:市町村の年金窓口、最寄りの年金事務所 (日本年金機構)
⑦ おむつ証明書
医師が患者の失禁状態を診断し、おむつが必要であると証明する文書です.介護保険・医療費控除・市町村の紙おむつ給付などの申請に用いることができます.
連携先・申請先:市町村役所・税務署
⑧ 療養・就労両立支援
主治医が患者の就労継続を支援するため、職場に配慮を促す文書 (意見書) を交付する制度です.この制度のメリットは、就労継続のための勤務時間や業務内容の調整が可能となることです.また、医師の意見が企業に届くことで、合理的配慮が得られやすくなります.
連携先・申請先:医療機関・企業
⑨ マッサージ同意書(医療マッサージ)
医師が「慢性疼痛・筋麻痺・関節拘縮」などに対し、あん摩マッサージ指圧を保険適用で受けることを同意する書類です.この制度のメリットは、医療保険で訪問マッサージが受けられ、自己負担軽減となります.寝たきりや通院困難な方にも在宅で対応可能となります.同意書は6か月ごとに更新が必要となります.
連携先・申請先:医療機関・施術者
同意書の対象となる主な症状・重症度の目安.
1. 筋麻痺(脳卒中後の片麻痺など)で重症度の目安としては、関節可動域の制限、筋力低下が見られる.
2. 関節拘縮(動かしにくくなった関節)で重症度の目安としては、自力で関節を動かせない、日常生活に支障がある.
3. 筋萎縮(筋肉が細くなって力が入らない)で重症度の目安としては、長期の寝たきりや麻痺後に出現する.
4. 慢性疼痛(慢性的な筋肉や関節の痛み)で重症度の目安としては、生活動作が制限されるレベルの痛み等が対象となります.
慰安目的のマッサージ(肩こり・疲労など)は対象外となります。
